一睡の夢 一期の栄華 一盃の酒

本の中だったり、映画の中だったりで出てくる言葉を定期的に紹介したいと思います。他にも好きなことを書きます。

言葉ログ#11 "世間は「競争」というものを過大評価しすぎているのです"

WIRED元編集長・若林さんがピーター・ティールにインタビューした時の記事から。

利害が一致しているからこそ争う。そんな競争からは、抜け出なくてはいけない。

 「人が争いあうのは、大概の場合、利害が一致しないからではなく、それが一致しているからなんです。二人の人間があるポストを巡って争っているとしたら、ふたりの欲求が一致しているからで、そういう争いは極力避けるべきです。世間は「競争」というものを過大評価しすぎているのです」

 そうとまでわかったところで、ぼくは、しかし、本当はもう一つ聞いてみたいことがあった。世間を徹底的に懐疑しながら、返す刀で自分自身をも懐疑し、その上で、自分をとことんまで信じ続けられることがイノヴェイターの資質であるというのなら、イノヴェイターって、とんでもなく孤独なんじゃないだろうか?

 その質問を投げかける時間は、残念ながら、なかった。

 ティールは果たしてどう答えたろう。少なくともぼくが見たティールは、孤独を正しく愛することのできる、そういう類の大人だった。(戦うなとティールはいった)p236-238

 競争しなくとも、泰然と孤独を愛せる、素敵な大人に。