一睡の夢 一期の栄華 一盃の酒

本の中だったり、映画の中だったりで出てくる言葉を定期的に紹介したいと思います。他にも好きなことを書きます。

言葉ログ#14 "コンテンツがあるから箱が必要になるんですよね?というのは、そんなに異端的な意見なのだろうか"

箱よりもコンテンツ。土管よりもコンテンツ。

通信会社を「土管屋さん」と揶揄するのは簡単だけど、世にある多くのスタートアップや新規事業も同じようになっているのではないか。 

 けれども新しい施設ができたところで、右にあったものが左に動いただけ、使い回しの果てに中身の薄まったものばかりが増えたところで一体誰が得をするのだろう。コンテンツがあるから箱が必要になるんですよね?というのは、そんなに異端的な意見なのだろうか。

 土管さえ作っとけばコンテンツはユーザーから自動的にジェネレイトされるんですよ、みたいな調子で、スキームとストラクチャーとちょっと洒落たUI/UXがあれば一丁上がりとするようなやり口、考え方は、ITに関わる話でさんざん見聞きしてきたけれど、その悪弊がビットからアトムよろしく、現実世界の中へと流れ出ていっているのを、僕らはこれからふんだんに目のあたりにすることになるに違いない(いや、むしろ、ことは逆かもしれず、もしかすると土建屋の発想がそのままITに引き継がれただけなのか)。(ピッチフォークとパワリー・ボールルーム)p349

 箱に感動する人はいない。常にコンテンツから始まるべきなのだ。